セーバー病とは日本語で「踵骨骨端症」(しょうこつこったんしょう)と呼びます。
また『シーバー病』とも言われます。
踵骨という踵の骨に痛みが生じる障害で、10歳代前後の小中学生に多いのが特徴です。
特に近年のスポーツをやっている小中学生は、クラブ活動が本格化し運動量が昔より多くなっている傾向があります。
その為、筋肉量が増えて、骨にかかる負担も増加傾向にあるようです。
筋肉量が増えるとカラダが硬くなるので、ストレッチもより大変になります。最近ではカラダの硬い小学生が多いな~と思います。
骨端症とは
●骨端線にて、骨芽細胞という細胞によって新しい骨が作られる事によって徐々に軟骨が骨になり、子どもは成長をしていきます。
●骨端線の部分は周りの骨の部分と比べて柔らかいです。
●やわらかいので筋肉よって繰り返し引っ張られるストレスがかかる事によって痛みを生じやすくなっています。
発症のメカニズム
●踵骨にはアキレス腱が付着しています。
●アキレス腱は下腿三頭筋というふくらはぎにある筋肉が集まって腱となっている部分です。
●走ったり、ジャンプをすると下腿三頭筋が伸び縮みします。
●するとアキレス腱を伝って、踵骨を引っ張るストレスが生じます。
●また足の裏にある足底筋膜も踵に付着しています。
●運動時、ダッシュやジャンプの着地などで足底筋膜は引っ張られるストレスが生じ、それによって踵骨に負担がかかります。
●アキレス腱や足底筋膜を伝って生じる引っ張るストレスによって、踵骨が損傷を受ける事で『セーバー病』になります。
セーバー病の症状
次のような症状がみられます。
ジャンプやダッシュをすると踵が痛い
踵に腫れや熱を持つ事もある
踵を押すと痛い
踵の痛みのためつま先歩きをする
セーバー病になりやすいスポーツ
サッカーバレーボールバスケットボール
テニス
陸上
ダッシュやターン、ジャンプなどの動作が多いスポーツで多くみられます。
原因
●使いすぎ(オーバーユース)
セーバー病は一回でケガをする事ははほとんどなく、度重なるストレスによって発症します。
急に練習量が増えた。運動を急に始めた。など過度の負担によるオーバーユースが大きな原因となります。
●靴のクッション性が悪い
踵に衝撃が強くかかる事でも症状を引き起こします。クッション性の低い靴やスパイクシューズなどでは地面からの衝撃の負担が大きくかかるため、痛みを引き起こす原因ともなります。
●硬い地面での運動
地面が硬いグランドでの運動は踵への負担が大きくなりセーバー病になる可能性があります。
治療法
主に保存療法が行われます。
セーバー病の主な原因はスポーツのやりすぎによるオーバユースなので、まずは局所を安静にして休める事が重要です。
その次に、自宅でふくらはぎと足底筋のストレッチをします。
医療機関で治療、電気治療、スポーツマッサージなども有効です。
軽傷の場合で、どうしてもクラブ活動を休みたくない時は、準備運動を入念にして、テーピングをしてやりましょう。
そして運動後のストレッチとアイシングは欠かせませんね!
痛みが強い場合は松葉杖を使用して、患部に荷重をかけない事もあります。
セーバー病は比較的予後が良好なので、きちんと治療する事で後遺症も少なく完治します。
子供達にとってケガ予防やパフォーマンス向上やこれからの成長に欠かせないのがストレッチです。特に小学生年代のケガは「若いから大丈夫」「そのうち治る」と放置しがちですが、実はこの年代のケガは、将来まで引きずる可能性があり早いうちからのケアが必要です。